報国寺座禅会で挫折し、
再び私は建長寺の座禅会に参加していたが、
この際色々と試してみようと思って、
今までは臨済宗の座禅をしてきたが、
違う宗派の座禅会に色々と参加してみた。
高野山東京別院の阿字観、
高野山金剛峰寺の月輪観、
色々な坐禅を試してみたが、
やはり公案修行をして居士号をしたい
そう思っていると社会人によって組織された
坐禅会があるということを知った。
社会人だったら仕事と両立出来る環境が
整っているのでは無いだろうか
そう思って参加してしばらく経ち、
再び本格的な坐禅会に参加する機会を得たが、
そこで分かったのは働きながら座禅を行う
システムがあるという話では無く、
仕事や家庭を犠牲にして座禅会をやっている
という事実だった。私は甘かった。
かくして再び私の目論見は打ち砕かれた。
が、失敗したのに懲りずに、
三宝禅という座禅会を見つけた。
学習能力が無い私でも何度も痛い目にあったので、
今回はいきなり参加せずメールで質問してみた。
その中でこんな質問をした。
「居士号は貰えるのでしょうか」
すると会員の方は渡しにピシャリと言った。
「貰えるがそれが目的なら邪道です」
その言葉にハッとさせられた。
私は山岡鉄舟のようなカッコいい人に憧れ、
坐禅をして老師から居士号を貰うという
ストーリーをたどることに固執していた。
しかしそもそもお釈迦様は全てを捨てた人だ。
仏教も生きることもそんなにカッコいいものではない。
それで目が覚めた私はここに参加することも
そのように思い、結局参加することは無かった。